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探偵業法でわかる、探偵にできること・できないこと|違法になる調査

探偵業法でわかる、探偵にできること・できないこと|違法になる調査Column

公開日: 執筆:新井順子

探偵業法で探偵の仕事とされているのは、依頼を受けて、聞き込み・尾行・張り込みなどの方法で人の所在や行動を調べ、その結果を報告することです。探偵だからといって特別な権限はなく、ほかの法律で禁止されていることはできません。

住居への侵入や盗聴、無断でのGPSの取り付け、戸籍・住民票の不正な取得、差別につながる調査、慰謝料の交渉の代行などは、探偵にもできません。依頼する前に、公安委員会への届出があるか、契約の前に書面で説明があるかを確かめましょう。

探偵に依頼したいけれど、どこまで調べてもらえるのか、法律的に問題はないのか。探偵の仕事は普段目にすることが少ないぶん、分からないことが多いと思います。

この記事では、探偵業法の決まりをもとに、探偵にできること・できないこと、探偵社に義務づけられていること、依頼の前に確かめたいことを、MILAE探偵社の事例とともにお伝えします。

  • 探偵業法とは何を決めた法律か
  • 探偵にできること・できないこと
  • 探偵の調査が違法にならない範囲と、プライバシーとの関係
  • 探偵業法で探偵社に義務づけられていること
  • 依頼の前に確かめたいこと

調べてもらえることか分からないときは、まずはご相談ください
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探偵業法とは

探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律)は、探偵の仕事の決まりを定め、調べられる人の権利や利益を守るための法律です。平成18年に定められました。

この法律では、探偵の仕事(探偵業務)を、他人の依頼を受けて、特定の人の所在や行動について、面接による聞き込み・尾行・張り込みなどで実地に調べ、その結果を依頼者に報告する仕事、としています。探偵の仕事をするには、営業所ごとに、都道府県の公安委員会に届け出る必要があります。

警察庁によると、令和7年末の探偵業の届出数(営業所の数)は7,354件です。同じ年には、公安委員会が探偵業者に行った「指示」の処分が19件あり、探偵の仕事に関してほかの法律に違反して検挙された例には、軽犯罪法違反、ストーカー規制法違反、建造物侵入などがありました。

探偵にできること

探偵にできるのは、法律に触れない方法で、人の所在や行動についての情報を集め、報告することです。

  • 尾行・張り込み:道路など誰でも立ち入れる場所から、対象者の行動を確かめ、写真や映像で記録する
  • 聞き込み:関係する人や周辺の人に話を聞いて、手がかりを集める
  • 公開されている情報の確認:本人が公開しているSNSなど、誰でも見られる情報を調べる
  • 報告書の作成:日時・場所・写真などを時間の順にまとめ、依頼者に報告する
  • 盗聴器・GPSなどの発見調査:依頼者ご自身や家族が所有・管理している場所や車を調べる

浮気調査、人探し、素行調査、結婚調査、ストーカー・嫌がらせの記録など、多くの調査は、これらの方法を組み合わせて行います。調査の種類は調査項目一覧のページでご覧いただけます。

探偵の調査は違法じゃない?プライバシーとの関係

探偵業法に沿って、ほかの法律に触れない方法で行う調査は、違法ではありません。ただし、探偵業法は探偵に特別な権限を与えるものではなく、調べられる人の生活の平穏や権利・利益を害さないように調査することを求めています。どこまでが許されるかは、調べる方法と程度で決まります。

調べ方違法にならない範囲違法になるおそれがある例
尾行・張り込み道路など誰でも立ち入れる場所から、相手に気付かれないように行動を確かめる不安や迷惑を感じさせるようにつきまとう(軽犯罪法)。恋愛感情などの目的でのつきまといは、ストーカー規制法の対象
撮影誰でも立ち入れる場所から見える範囲を撮る住居や浴室、更衣室などをひそかにのぞき見る(軽犯罪法)。性的な姿態をひそかに撮る(性的姿態撮影等処罰法)
GPS などの位置の記録(探偵の調査の方法としては使わない)相手の承諾なく、車や持ち物に取り付けて位置を調べる。恋愛感情などの目的ならストーカー規制法の対象で、そうでなくてもプライバシーの侵害を問われたり、取り付けのために敷地に入れば住居侵入に当たったりするおそれがある
調べた結果の扱い依頼者に報告し、依頼者が目的のとおりに使う犯罪や違法な差別、嫌がらせに使う
探偵業法 6 条・7 条、軽犯罪法 1 条 23 号・28 号、ストーカー規制法 2 条などから。個別の判断は弁護士・警察へ

探偵業法は、依頼者から「調査の結果を犯罪や違法な差別などに使わない」という書面を受け取ることや、仕事で知った人の秘密を守ることも、探偵社に義務づけています。調べられる人のプライバシーを守るための決まりです。

MILAE探偵社では、住居への立ち入り、盗聴、無断での機器の取り付けなど、法律に触れる方法による調査は行いません。違法になりうる方法をすすめてくる探偵社には、頼まないでください。見分け方は探偵の選び方の記事で説明しています。

探偵にできないこと

探偵業法では、探偵だからといって、ほかの法律で禁止されていることができるようになるわけではない、と定められています。探偵には、警察のような捜査の権限もありません。

できないこと理由になる法律など
他人の家や敷地に入って調べる刑法(住居侵入罪など)
盗聴する、他人の通信をのぞく電波法、不正アクセス禁止法など
対象者の持ち物や車に、無断でGPSを付けるストーカー規制法(目的による)、プライバシーの侵害
うそや、なりすましで戸籍・住民票などを取る戸籍法・住民基本台帳法の罰則
犯罪や差別に使われると分かっている調査をする(出身地・本籍の調査など)探偵業法9条
慰謝料の請求や示談交渉を、依頼者の代わりに行う弁護士法72条
逮捕する、強制的に取り調べる探偵には捜査の権限がない
法律に触れるかどうかは、個別の事情で判断されます

MILAE探偵社では、調査の結果が犯罪や違法な差別に使われるおそれがある依頼や、DV・ストーカー行為の加害者が被害者の居場所を探す目的の依頼はお受けしていません。相談のときに目的や経緯を詳しく伺うのは、そのためでもあります。

事例:お受けしなかった所在調査(30代男性)

  • ご相談:「妻が子どもを連れて出ていった。居場所を知りたい」
  • 調査:お話を伺う中で、DVを理由に避難している可能性が高いと判断し、調査はお受けしなかった
  • 費用:相談のみのため、かかっていない
  • 結果:面会交流の申し立てなど、法的な手続きについて弁護士へのご相談をおすすめした

相談で目的や経緯を詳しく伺うのは、調査の結果が誰かを傷つけることに使われないようにするためでもあります。

また、ネットの書き込みを誰がしたのかを法的に確かめることも、探偵にはできません。書き込んだ人の情報の開示を求めるのは、弁護士の手続きです。

事例:ネットの書き込みの犯人は、探偵では特定できなかった(40代男性・神奈川県)

  • ご相談:経営する店の口コミサイトとSNSに、事実と違う悪評が繰り返し書き込まれた
  • 調査:約2週間、調査員1名。書き込みの内容と時間帯の整理、店の周辺での聞き込み(3日・各4時間)
  • 費用:基本料金70,800円(5,900円 × 12時間 × 1名)+交通費などの実費
  • 結果:元従業員が怪しいという手がかりは得たが、書き込んだ人物の特定には至らなかった。弁護士に引き継ぎ、発信者情報の開示請求の手続きに進んだ

ネットの書き込みの犯人を法的に特定するのは、弁護士の手続きです。探偵にできることには限界があります。

調べた結果をもとに慰謝料を請求したい、相手と話し合いたいといった場合も、探偵が代わりに交渉することはできません。MILAE探偵社では、法的な手続きが必要な場合に、提携している弁護士をご紹介しています。

お受けできるかどうかも含めて、正直にお答えします
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探偵業法で、探偵社に義務づけられていること

探偵業法では、依頼者を守るために、探偵社にさまざまな義務を定めています。依頼する側も知っておくと、信頼できる探偵社かを見分ける手がかりになります。

  • 届出と標識:営業所ごとに公安委員会に届け出て、届け出たことを示す標識を営業所に掲げ、原則としてホームページなどでも示す
  • 契約の前の書面での説明:契約の前に、重要な事項を書いた書面を渡して説明する
  • 契約の内容の書面:契約したら、すぐに契約の内容を書いた書面を渡す
  • 秘密を守る:仕事で知った人の秘密を、正当な理由なく漏らさない(辞めたあとも同じ)
  • 外に任せない:探偵の仕事を、届出のない人や会社に任せない
  • 教育と名簿:従業員に必要な教育を行い、従業員の名簿を備える

これらに違反すると、公安委員会から指示や営業停止などの処分を受けることがあります。MILAE探偵社は、神奈川県公安委員会に届け出ています(第45250004号、主たる営業所)。外注ではなく自社の調査員が調査し、契約の前には重要事項を書面でご説明します。

依頼の前に確かめたいこと

依頼する前に、次のことを確かめておくと安心です。

  • 公安委員会への届出番号が、ホームページや事務所に示されているか
  • 契約の前に、重要事項を書いた書面を渡して説明してくれるか
  • 調査の方法を説明してくれるか(違法になりうる方法をすすめてこないか)
  • 料金の内訳と、追加でかかる費用の考え方を、見積もりの段階で説明してくれるか
  • 「何でも調べられる」「必ず結果が出る」といった言い方をしていないか

契約の流れは調査までの流れのページ、料金の決まり方は調査料金のページ、自分で調べるときに法律に触れるおそれがある行為は自分で浮気調査をすると違法になる行為の記事で説明しています。

よくある質問

探偵は、警察と同じように調べられますか?

いいえ。探偵には逮捕や強制的な取り調べなどの捜査の権限はなく、ほかの法律で禁止されていることもできません。聞き込み・尾行・張り込みなど、法律に触れない方法で情報を集めます。

探偵に、相手の住民票や戸籍を取ってもらえますか?

取れません。うそや、なりすましで住民票や戸籍を取ることは、法律で罰則の対象です。住所などは、尾行で帰宅先を確かめるなど、法律に触れない方法で調べます。

探偵に、慰謝料の請求や話し合いを任せられますか?

任せられません。報酬を得て依頼者の代わりに交渉することは、弁護士法で弁護士以外には禁じられています。MILAE探偵社では、必要な場合に提携している弁護士をご紹介します。

届出をしている探偵社かどうかは、どう分かりますか?

探偵社は、届出をしたことを示す標識を営業所に掲げ、原則としてホームページなどでも示すことになっています。届出番号と、届け出た公安委員会の名前を確かめてください。

探偵が GPS を使って調べるのは違法ですか?

相手の承諾なく車や持ち物に GPS 機器を取り付けて位置を調べることは、目的によってはストーカー規制法の対象になり、そうでなくてもプライバシーの侵害や住居侵入などを問われるおそれがあります。MILAE探偵社では、無断で機器を取り付ける調査は行いません。

まとめ

探偵業法で探偵の仕事とされているのは、聞き込み・尾行・張り込みなどで人の所在や行動を調べ、報告することです。探偵に特別な権限はなく、住居への侵入、盗聴、無断のGPS、戸籍・住民票の不正な取得、差別につながる調査、慰謝料の交渉の代行などはできません。

依頼の前には、公安委員会への届出があるか、契約の前に書面で説明があるかを確かめましょう。調べられるかどうか分からないときも、まずはご相談ください。

関連するページ:調査項目一覧/調査までの流れ/調査料金/会社概要

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出典:軽犯罪法(e-Gov法令検索)、ストーカー行為等の規制等に関する法律(e-Gov法令検索)、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(e-Gov法令検索)、探偵業の業務の適正化に関する法律(e-Gov法令検索)、警察庁「令和7年中における探偵業の概況」、警察庁「探偵業について」、弁護士法(e-Gov法令検索)

この記事を書いた人

新井順子

新井順子MILAE探偵社 代表取締役・カウンセラー

MILAE探偵社の代表取締役・カウンセラー。大手探偵事務所での勤務を経て、2020年にMILAE探偵社を立ち上げました。10年以上にわたり探偵業に従事し、1,200件以上の調査に携わってきました。女性ならではの視点と丁寧な対応で、浮気調査をはじめとした様々なご相談に親身に寄り添ってきました。「安心して話せる探偵でありたい」という想いを大切に、プライバシーに配慮したカウンセリングと誠実な調査対応を心がけています。

探偵業届出:神奈川県公安委員会 第45250004号(主たる営業所:横浜店)